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サイド&バック材

ご存知の通りアコースティックギターは木で出来ています。
穴の開いた方をTOP板、裏側をバック板、そしてサイドはサイド板です。

TOP板はだいたいが、
シトカ、ジャーマン、アディロンダック、えぞ、等のスプルース材で出来ている。
これらは一見して見分けるのは非常に難しい。
木目も板目はなくてほとんどが超柾目であります。目の詰まり方で木材の硬さが変わるか
どうかは分かりませんが昔は目が詰まってるほうがいいとされていた。
しかし、最近MARTIN社ではVモデル(GE,Au)のTOP材にはアディロンがよく用いられ
木目が広いほうがいいとされています。木目が広いほうが柔らかく深い音になるんでしょうか。

さて、表題のサイド&バック材ですが、
大きく分けて、マホガニー系、コア系、ローズ系があります。

この3つの系統はおそらくギターが作り始められた最初から手に入りやすく丈夫で硬くて
よく響くなどの理由で容易に選ばれたのがよくわかります。

しかし何百年のうちに木材は無くなっていきました。

その代表例がブラジル産のローズウッドです。
ブラジル産ローズウッドをハカランダというのでありますが、おそらくブラジルの山のどこに
でも生えていた木だったと思います。この木がギターに最適ということで用いられたのですが
MARTIN社でも疑いもなくブラジル産ローズが使われていた。
この頃のMARTIN社のカタログを見るとブラジル産ローズウッドとはどこにも書いていません。
単にROSEWOODとあります。

このことから1900年初頭ではローズといえばブラジル産であったと思われます。
もちろん1941年以前のいわゆるプリウォー(戦前)モデルにも当然のようにブラジル産ローズ
が使われています。この頃の状態のいいものでしたら200万ちかくになっています。


ところが各社がブラジル産のローズを伐採するのでついにMARTIN社でも1969年に
ブラジル産から東インド産のローズに切り替えを余儀なくされました。


ここからが問題です。




ようするに今日のハカランダ高騰はこのことから始まっています。
今でもMORRIS,YAMAHA、Y.Yairi等も若干のハカランダ材は持っているようですが
50万以上の商品になります。


そこで、出てきたのが、

ココボロ(サザンアメリカンローズ)
ジリコーテ(シャム柿)
アフリカンローズウッド
マダガスカルローズウッド
ニューハカランダ(ホンジュラスローズウッド)

諸々の木材です。

これらはブラジル産ローズ以前にはほとんど使われてなかったと思いますが、
最近、やけに目がつきます。
とくにマダガスカル産ローズはMARTIN社でも正式ラインナップにありますし、各社勢力的に
使用しています。そしてこれらの木材ははっきり言ってブラジル産と見分けが難しいのです。


ここからが僕の言いたいところなんですが、
1969年以降のギターでハカランダ(ブラジル産)と言いながらこれらの木材を使っているもの
が少なからずあるんではないかと言う事です。

特にニューハカランダと明記されているものは実際怪しいものもあるようなないような感じです

ここで気をつけなくてはならないのが、

ハカランダ = ブラジル産ローズ  では無いことがあると言う事です。

ハカランダは上記の5種類の木材も含まれている可能性もあると言う事です。
これはショップではなく製作者が決めることですからなんとも言えませんが、
製作者の解釈でこれはハカランダで出来ていると言えばハカランダなのです。

しかし、それはブラジル産とは限りません。

ショップにおいては明確に表示を分けているところもあります。

ハカランダ、もしくはジャカランダとあるものは、ジリコーテ、ココボロ、アフリカン、ホンジェラス
の可能性が少なからずあるということです。

これは前記のように製作者・メーカーが決めることでショップが決めることではありません。


こう思えたのも、ハカランダ単板と書かれている木がどうもブラジル産ではないものがあると
思えるものがあるからです。結局はハカランダ=ブラジル産ローズかどうかの論議になります
が、我々ギターファンが気をつけないといけないのが、ハカランダという木そのものが
現在では少し以前のハカランダの解釈とずれているかもしれないと言う事です。



以上、これは僕個人の見解です。
全てが確信的に言っているのではありませんので参考程度で読んでください。
by koyo1378 | 2007-11-27 12:48 | こぼれ話