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MARTINの音

僕は今まで何度も書いているのですが、1985年にYAMAHA FG-250MというTOPが
単板、サイド&バックがマホ合板のギターを最初に買いました。

それから1991年にGibson J160Eを買うまではYAMAHAしか弾いたことがなかった。
このJ160EはALL合板でいくら弾いても全く成長しない。
やはりALL合板(特にTOPも合板)では音は成長しないことがわかります。

しかし22年弾いているFG250Mは確実に成長しています。
同じくTOPが単板だと鳴りは良くなる気がします。
ギターはTOPが重要という話はまんざら嘘ではないと身をもって感じています。

1991年から2005年にYAMAHA LL55D-Rを購入するまでの14年間はずっとJ160E
を弾いていた訳ですが、前記したように全く鳴らないギターであります。
もちろん、このJ160Eの名誉のためにも書きますが彼はエレアコなのであります。
ジャックにつないでハウリングが起こらない為に「わざと」鳴らないのであります。

ところで、55DRを弾いてビックリしました。
1985年にギターを握ってから2005年の20年ではじめてのALL単板!
しかもYAMAHAの最高峰器であります。
弾いた瞬間、慣れ親しんだFG250Mのヤマハの更にも増したジャランジャランの音!

しっかし、この国産ジャランジャラン系(僕がYAMAHA、MORRISの音をこう感じている)
はその後買ったMORRIS M151やMORRIS MF-CUSTOMの方が更にうえで、
極めつけはYAMAHA LL55D(ハカランダ)のたどり着くのである。

このLL55Dのジャランジャラン度は凄まじい!
最初に買ったLL55DR(ローズ)の5倍はジャランジャランではないか!!
これこそが、中学のときに長渕剛のアルバムから聞こえた「あの音」ではないですか!

このとき2006年3月!このLL55Dで僕のジャランジャラン系は終焉を迎えたのでありました。

日本のフォークを語るにはこのYAMAHAのハカサウンドなしでは語れません。
FG-500から始まり、FG2000、L31、L53,L55・・・・、どれだけのミュージシャンが
奏でたことか・・・・・。

ぼくは、このLL55Dで最高に満足した。大好きで心から信じていた最高の音「ジャランジャラン」。
しかし、何か忘れてはいないか??
このまま、国産だけで終わっていいのか??
このジャランジャラン系以外にも素晴らしい音があるんじゃないか??

そ・そ・そうだ!

ギターを始めて、21年!もうMARTINを持ってみても罰は当らないだろう。

「MARTIN」

こう聞くだけで、

・永久に持つことがない最高の舶来ギター。
・金額が高くとても手が出ない舶来ギター。
・国産とは違い、歴史が長い僕には関係のない舶来ギター。

しかし、国産ジャランジャラン系の終焉を見た僕は勇気を持って「夢の」MARTINに立ち向かったのでした。

はっきり言って、試奏も触ったこともないです。
なのに、気付いたときにはいつもお世話に鳴っているショップに出ていた、D45(ハカランダ)が
なんとなく自分のものになると直感して札束を持って試奏していたのであります。


生まれて始めて弾いたこのMARTIN D-45 Dx CFM(BR)が始めての僕のMARTINに
なるのですが、試奏一発目がジャランジャランではなかった。

僕が信仰していた音とは全く異次元の音でびっくりした・・・・・。

一言で言うと、「深い」のであります。
特に低音が全く違うのであります。深い、深い、深い・・・・・・。

うちに持って帰ってYAMAHAと比べると正反対の音が鳴ります。
YAMAHA&MORRISはジャランジャラン系なら、MARTINは何だろうか・・・・?

21年間国産で育った僕は、
全く違うこのMARTINの音に最初は違和感を感じながらも無我夢中で引き続けました。





MARTINのD45の音の素晴らしさを、更に不動のものにするには、次に買ったD28(1967)
の存在が大きい。

このD28は、いわばMARTINが1969年にハカランダを諦めてローズに転換する前のもので、
実にストレートな音がします。
何の着色もされていないギターの生の音!!
もちろんジャランジャランではない!例えられない位の真っ直ぐに突き刺さる音!

やっぱりこの頃のMARTIN D28は音が全然違います。
派手さは全くないですが、深みのある心に突き刺さる音のような気がします。

このD28の後にD45を弾くと、D45は派手な音に聞こえるのです。

しかし、実際は深さのある派手な音でYAMAHA系ではありません。


結局、最近1949年生のまさにビンテージMARTIN o-18を購入するのだが、
なんて素直な音だ!こんなにシングルオーのボディーでなんて鳴るんだ!
しかも深いじゃないか!これがMARTINの音だ!!と感極まりました。

そうなんですね、MARTINの音はどれも結局は同じ「深い」音で突き刺さる音なんです。

世界中の人が愛してやまない、このサウンドの本質は、胸に突き刺さる深い音なんですね。

これは歴史のなす、MARTINと言う長きに渡る信頼のブランド力、その安心感と包容力が
なせるものなんですね。

やはり、MARTINの音はギター好きには「特別」なものです。

ただ、いい音に聞こえているだけかもしれませんし、騙されているのかもしれません。
しかし、この音は僕にとって、実に落ち着く音で、目を瞑れば、心に突き刺さる素晴らしい音で
あることには全く疑うことを知りません。